先日とある(場所はあえて伏せます)公衆トイレでの出来事をご紹介したいと思います。
私が公衆トイレを利用しようと入ったところ、トイレ清掃のお婆ちゃんと二人きりに。
そんな時にお婆ちゃんがボソボソとひとり言を言い出しました。
お婆ちゃん:「トイレをこんなに汚く使うなんて本当にバチがあたるね」
私は思わず、そんなお婆ちゃんに声をかけていました。
私:「お婆ちゃん、大変ですね。本当に有難うございます」
本当に自分もビックリするほど、素直に感謝の気持ちを言葉にしていました。
お婆ちゃん:「トイレを汚す人、ツバを吐く人、ゴミを捨てる人はダメだね」
私:「そうですね。トイレは大切に使わないといけませんね」
お婆ちゃん:「トイレの使い方でその人の人格が分かるものなのよ」
私:「そうですね。でもお婆ちゃんみたいな人がいるから皆んな綺麗なトイレを使えるんですよ」
お婆ちゃん:「トイレには神様がいるって本当なのよ。トイレを粗末に使うってことは神様をバカにしているのと一緒なの」
私:「私もそう思います。自分の家のトイレは綺麗にするけれど、こうした公衆トイレを汚くする人っていますよね」
お婆ちゃん:「自分の家のトイレも公衆トイレもトイレは一緒。そんなことも分からない非常識が多くなったよ」
私:「そうですね。」
こんな会話が続いたあと、お婆ちゃんは耳を疑うようなことを言って来ました。
お婆ちゃん:「社長さんはこのトイレはよく使うの?」
私:「社長?・・・」
私は自分が社長だとは一切言っていませんし、高級車で乗りつけたわけでもなく、高級品を身につけていたわけでもありませんでした。
私:「お婆ちゃん、どうして私が社長だと思ったんですか?」
それが不思議でした。まあ誰にもでも社長って言っているのかも知れない・・・
お婆ちゃん:「そんなこと簡単だよ。トイレを大切にする言葉や、こんなトイレ清掃の年寄りに感謝の言葉をかけるなんて凄い人だって分かるものだよ。人間の器ってそういう何気ないところに滲み出てくるもんだからね」
私は一瞬、言葉を失いましたが、興味が湧いてきて何気に聴いてみたのです。
私:「お婆ちゃんって、何でトイレ清掃をしているのですか?」
お婆ちゃん:「何でそんなこと聴くの?」
私:「すみません。何か生活費のためというようには感じられなくて・・」
お婆ちゃん:笑
私:「トイレの神様なんて言葉を使うなんて凄い人だなって・・」
お婆ちゃん:「社長さんは大した成功者だね。社長さんみたいな成功者にはあまり会ったことがないよ」
私:「イエイエ、私は大した人間ではありません」
お婆ちゃん:「社長さんのこと気に入ったから本当のこと言うとね、、私はお金のためにトイレ清掃をしている訳じゃないのよ。お爺ちゃんとの人生で稼がせて頂いた感謝の気持ちでトイレ清掃をしているの。もうお爺ちゃんはいないけど死ぬ前に何か社会にお返ししたくてね」
私:「ヤッパリそうでしたか。でも素晴らしいことです。感動しました」
お婆ちゃん:「社長さんも社会に貢献する人物だね。そんなオーラが溢れているから。社長さんみたいな人と話せて嬉しいね」
私:「有難うございます」
お婆ちゃん:「社長さんはまだ若いんだから、この社会のために、この日本のために頼むね、社長さんなら何でも出来るから」
私はこんな流れに驚きを隠せませんでした。そしてとても嬉しかったのです。
私:「はい、有難うございます」
こうして、そのトイレ清掃のお婆ちゃんとの会話は終わりました。
私がトイレを出てしばらく歩いて振り返ると、お婆ちゃんは満面の笑顔で手を振っていました。
私は
「あのお婆ちゃんこそトイレの神様だ」
とひとり言を言っていました。
これは実話です。
私はお婆ちゃんに
「私のブログで紹介したいのですが・・・」
と言うと
「この場所も私の名前も顔も出さないのであればいいですよ」
とおっしゃいました。
誰にも邪魔されずに、静かに余生を感謝の気持ちでトイレ清掃をしているのでしょう。
だからトイレの場所も名前も顔もその日時も控えて、今回書かせて頂きました。
こんな突然の出会いに感謝しながら、是非に皆様にも伝えたいと思ったのです。
私は特定の宗教心は持ってはいませんが・・・
トイレには神様がいます。
(神様という定義はいろいろだとは思いますが)
イヤ、私たちの周りには様々な神様がいるのだと思います。
だからこそ、何事にも感謝の気持ちを持って生きることこそが大切なんです。
私ももっともっと精進して、感謝の気持ちを持って益々社会貢献して行きます。
今回はこのようなブログが書けたことを、偶然ではなく必然と捉えて、
皆様とシェア出来ましたら、こんなに嬉しいことはありません。
感謝
下村しげお