よく聴かれるのですが「下村さんは何をやられているのですか?」という質問がメッセージで多く寄せられます。確かにこのブログだけでは怪しい部分もありますね(笑)
そこで私の方から「コーチングです」という言葉を使いますと、何か「凄いですね」とか「どのようなものですか?」とかで、まだ日本ではコーチングという意識が薄いようです。
皆様も「スポーツのコーチ」と言えば分かりやすいかも知れませんが、1980年頃にプロスポーツ界でこのコーチングを技術として体系化し、各スポーツ団体が取り入れ始めます。
1990年頃になりますと企業でも社員教育目的に利用され、1995年には国際コーチ連盟がアメリカで、1999年には日本コーチ協会、2002年に日本コーチ連盟が日本でも発足しました。
アメリカでは問題解決に関して、弁護士、コンサルタント、カウンセラー等に並ぶ職業として、このコーチングの地位が確立されています。それほどコーチングの認知度は高いのです。
日本でも、これから益々このコーチングの需要は増えて来るでしょう。
調べてみますとコーチングの「コーチ」の語源は「馬車の人を乗せる部分」ということらしく、ここから「人を望むところへ送り届ける」との意味で使われるようになったようです。
さて、ここまで簡単に説明してきましたが、まだまだよく意味が分からない方々が多いかと思います。特にコンサルタントとコーチングの違いが曖昧ではないでしょうか。
コンサルタントとは「教え導く」と言えば分かりやすいでしょうか?、そう様々な案件に対して個別にアドバイスをしてくれるのがコンサルタントの役目となります。
ちなみに一般的にコンサルタントの対象は法人となります。
ちなみに一般的にコーチングの対象は個人となります。
ですから経営コンサルタントと言えば、事業に特化してその企業の売上げが上昇するように仕向けることが仕事となります。業績アップこそ経営コンサルタントの責務です。
この「教え導く」という部分がコンサルタントとコーチングとは、大きくかけ離れている部分だと言えます。つまりコーチングとは「教え導く」ではありません。
ここを勘違いしますと、大事な受講料を支払っても意味がなくなってしまいますから注意が必要です。コーチングとはコーチ自らが受講生に「こうしなさい」とは言いません。
コーチングとは受講生に質問を投げかけては、受講生が望んでいる方向性に気づかせ、受講生自らの力で率先的に行動を仕向けることが優先されます。
もっと簡単に言えば、受講生が今の現状に満足していない、あるいは悩んでいる原因をコーチの問いかけから自ら気づかせて、そに解決方法を見つけるサポートをすることです。
コーチングとは「教え導く」ではなく「気づき」を与えるものである。
例えば「お金が欲しい」「会社を辞めて独立したい」という願望があったとしましょう。そこでコーチはその願望の奥底にある潜在意識に問いかけて受講生の本心を探ります。
「何故、お金が欲しいのか?」
「何故、会社を辞めたいのか?」
という表面的な願望から、その奥底に眠っている動機を鮮明に見つめ直す作業の提供となるのです。意外と表面的な願望と内面的な願望には違いがあるものです。
願望には必ず理由があります。
欲望には必ず原因があります。
以前に「成功者に成りたい」という若者のコーチをしました。コーチングを進めていくうちに、「成功者に成りたい理由」が別れた奥様との復縁が原因ということがありました。
その若者は私とのコーチングを進めていく中で、自分の本当の願望を明確化することで、別れた奥様に謝罪するという行動を選択し、今では復縁して幸せに暮らしています。
また会社の社長と上手くいかずに、退職したいという若者とのコーチングでは、成功してお母様に恩返しをしたいという願望が垣間見えました。それが彼の心の叫びでした。
結果、彼は転職ではなく起業することを決めて、今では必死に社長として生き生きを働いています。もちろん社長業の先輩として私の経験を惜しみなく提供していることは事実ですが・・
ですからコーチングとは「教える」ではなく「自ら気づく」ことのお手伝いなんです。
ですからコーチングとはマラソンで言えば伴走者と言ってもいいでしょう。
お金儲けをしたいという願望は誰もが持っています。昨今ではそんな方々に「簡単に稼げる」などと言っては多額なお金を要求しては、それきりという輩が多いので注意です。
しっかりと自分自身を認識することを飛び越えてしまうと、チョットした壁に挫けてしまうのです。自分を見つめ直す作業こそ、願望達成には絶対に必要なことだと知りましょう。
それらを教えるのではなく、気づかせることがコーチングの仕事となるのです。いろいろな質問を投げかけては、まずは「思考させる」ことでそれが第一歩となるのです。
最初は思考する習慣が無いために、苦痛に感じるかも知れませんが、思考することに慣れてくれば他力本願ではなく、自立した人間として行動出来るようになります。
ここまで来ればコーチングとしては成功と言えるでしょう。ただ私の場合はこの先の行動にまでお付き合いさせて頂いております。これがマラソンでいう伴走者という意味です。
ちなみに私はどこかのコーチングスクールで学んだわけではありません。多少の本で勉強したぐらいで、後は波乱万丈の人生経験から来るナマの声で接しています。
ですからどこかで学んだコーチングとは訳が違います。ただ別にどこかの協会で認定されたコーチに文句を言うつもりは一切ありませんので、そこは誤解しないで下さいね。
私は私のやり方で受講生と接していますし、それを誇りに思っています。またこんな私のコーチングで幸せになられた受講生を見るのが大好きなんです。生き甲斐ですね。
本で読んだ内容を持って接するよりも、私自身の経験からくるコーチングは誰にも真似は出来ません。そう台本がありませんから受講生によって全く内容が変わってきます。
但し、自分自らが気づきを得て、自分本来の人生転換への協力という意味では全く同じです。その過程においての決まり切った固定のノウハウが無いというだけです。
そして最も大きな違いは、普通のコーチは依頼をされれば引き受けるのに対して、私の場合は面談でお断りするケースもあります。
それほどコーチングとは人間関係が重要だということです。
もしコーチングを受講したいという方がいましたら、コーチング協会で検索すれば結構出てきますので試されてみるのも良いかも知れません。まずは行動です。
今現在、自分の人生の方向性に迷っているのであれば、このコーチングは一つの手段であります。ただ注意すべきはコーチとの相性でしょう。誰でもいい訳ではありません。
コーチングこそコーチと受講生との信頼関係が一番重要ですから!
感謝
下村しげお