よくリーダーシップという言葉を聴いた事があるかと思いますが、さて、ではこのリーダーシップとはどのような事を指しているのでしょうか?
時にこのリーダーシップとはマネジメントと同じような意味だという誤解があります。
確かに非常に似た部分はありますが、明らかに違う事をここで知っておきましょう。成功においてリーダーシップ能力とは必須条件です。逆にマネジメントとはリーダーシップが導いた道をいかに進むか?、という現場でのノウハウです。
ですからリーダーシップとは社長であり、マネジメントとは工場長とでも言えば分かりやすいでしょうか?
ではそのリーダーシップとは・・
まだまだいろいろあるかと思いますが、まず上記に書いたような資質を現実的に提供出来る方の事ではないでしょうか。
人間というのは100人いれば100通りの思考や感情があります。でもそのグループにとって、あるいは企業にとって進む方向性は一つです。
その方向性にバラバラな人達を導く能力は、まさに人を使う側には絶対に求められる才能です。これはもう経験しかありませんし、性格にも寄るものです。誰にでも勤まるものではありません。リーダーシップとは極端な事を言えば強烈なインパクトが必要であり、共感を伴う人間力が求められるのです。 では一つ一つ簡単に見ていきましょう。
まずは「リーダーシップとはグループを正しい方向性に向かわせる知恵」ですが、現代ほどの混沌とした社会においてグループをどの方向性に導くかは、余程の知恵が無ければ出来ません。そこには様々な経験値があるでしょうし、いろいろな失敗から身につけた傷口だけが知っているノウハウもあります。
この方向性を間違えては、いくら努力をさせても、無意味な架け橋を作っているようなものです。やっと登りつめたにも関わらずにその場所があるべき場所でなければ、疲れ果てたグループのメンバー労力を無駄にしてしまう事になりかねません。
とにかくこの「リーダーシップとはグループを正しい方向性に向かわせる知恵」は一番大切なものである事は言うまでもありません。
「リーダーシップとはグループをまとめる統率力」とはいくら方向性を示しても、それに従わせる程の統率力が無ければ、それは無いにも等しくなってしまいます。
「こっちだ!」と叫んでも疑心暗鬼を持たれては全く意味がありませんし、団結して進んでもくれません。そうなったらどんなに素晴らしい方向性を示しても全く本末転倒です。グループにはいろいろな人間がいるのです。好き嫌いもありますし、長所短所もあります。バラバラな人間を束ねるには恐怖心を与える事も時には必要であり、嫌われたくないなんていう綺麗事は通用しません。
どんな事をしても最後には笑える環境を作り出す事こそがリーダーシップを取る側の役割なのですから。
「リーダーシップとはグループのWINWINを構築するノウハウ」とはマネジメントに被るところもありますが、いかにグループの方々に差別なく喜びを与えられるかどうか?、という事に繋がります。誰かにとっては良くても、誰かにとって悪かったら意味がありませんし、それでは人はやる気も起きませんし、付いても来ないでしょう。みんなが本当に良かったと思わせる方向性を導くノウハウこそ、リーダシップを発揮するには避けては通れません。
どうしてこっちに行くのか?、こっちに行ったら自分は得なのか?、を平等に思わせる事が大切です。そうお互いがWINWINの関係になれるかどうか?、です。リーダーだけが良い思いをするなどは持っても他です。まさに「手柄は部下に与えよ!」です。 「リーダーシップとはグループから憧れられるほどの人間的魅力」とは大きな器です。誰よりも大きな器を持っているかどうか?、です。憧れとはそんな、自分が持っていないものを持っている人間に抱く感情です。分かりやすく例にしますと、あの幕末維新での薩摩藩の西郷隆盛は、まさしくこの器を持っていたのでしょう。
だからこそ負けると分かっていた、死ぬと分かっていた(全てではありませんが)西南戦争にその身を投じたのだと私は思います。この人間力こそリーダシップには欠かせないものです。そのリーダーが「こうだといえば間違っても本望!」と言わせしめる事こそ本物のリーダーです。その通りに西南戦争とは明治維新でお役御免となった武士の華やかな終わりとなったのです。
最後の国内戦争として彼らは英雄になったのです。 「リーダーシップとはグループが困難な状態になった時の解決力」とは、事業などを行っていれば、例えそれが正しい道でも、様々な困難や失敗はつきものです。そんな時にグループの戦意は落ち込むものですが、それを再度奮起させて新たな行動に移させる解決能力こそ、リーダーシップには必要です。
時と場合によっては遠回りする事もあるでしょう。または違った道を指し示すケースもあります。そんな時にでもグループの中に不協和音を出させずに、しっかりと認識させ、またキチンとしたレールに戻す力を指しています。 物事を解決するには、冷静さと問題が起きた対処法を素早く捉えて、誰よりも早くその結果を見出させる事です。まさしく「時の利」です。
このような挫折した時にグズグズしていてはいけません。すぐに適格なアドバイスや指導者としての威厳を見せる事で、グループはまた結束するものです。困難な時ほどリーダーシップは求められますし、逆にグループ内の団結力を見出す良いきっかけにもなります。そんな意識を持って行動に移せるリーダーは、尊厳の目で見られますし、再度困難にぶつかっても「この人の言う事に従っていれば間違いない!」という信頼関係が構築されるものです。
さて5つのポイントを見てきましたが、結局リーダシップとは人を巻き込むパワーを持ってして、あるべき方向性に人を導ける神業のようなものだと思います。
そこには先見性も必要ですし、惑わされない強い意志も必要です。とかく先の見えない現代社会においては、このリーダシップは欠かせない能力である事は間違いありませんし、このようなリーダシップを取れる方がいない企業は淘汰されていくでしょう。
益々、混沌とした社会になっていきます。そのような時にこそ、このリーダシップは求められ、その力を発揮するべきでしょう。ですから「リーダシップ無ければ群れるなかれ!」です。
感謝
下村しげお
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